失敗しないカメラ用三脚の選び方

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特にここ数年でカメラを始めた人の三脚を持っている率って、極めて低いと思うんです。

まず、手ブレ補正機能が当たり前になってきました。
最近のミラーレス機で搭載されていないものってほぼ無いと思います。

三脚が使える場所がかなり減りましたよね。カメラマンのマナー問題であったり、景観を崩す可能性があったり、他の人の邪魔になって危ないなど。

というようなことで、物理的に三脚を使うシーンが減ったというのも大きな原因かと思います。

だからといって三脚が必要なくなったわけではありません。
構図を決め込んでそこから動かしたくないときには三脚が必ず必要です。
手ブレ補正にも限界があります。工夫すれば機種によってはシャッタースピード1秒でもブラさない写真を取れたりしますが、それが息遣いでもブレ出すマクロ撮影になると人のちからでは不可能。三脚を使わざるをえないでしょう。

自分にとっての三脚の役割とは? そこから三脚購入までの最適化を行おう

特定のシーンにおいて確実な撮影を行なうためにも三脚の重要性が理解できたと思います。
ではどういった三脚を買ったらいいのかを考えてみましょう。

例えば、いつあるかわからない三脚必須なシーンに対応するために三脚がほしいとします。
そうなると、どういう要素が三脚に必要でしょうか?
軽さ
コンパクトさ

荷物にならず、いつでも準備できる機動性として、このあたりが候補として挙がってくると思います。
すると以下の問題点が出てきます。
・軽さ→不安定
・コンパクトさ→構図の制限

構図を決め込んで動かさないために使う三脚が軽いと、構図がずれたりブレたりします。せっかく三脚を持ち運んたのに元も子もないですよね。
コンパクトにまとまる小さい三脚だと自分の目線よりも低くになって、三脚を使った撮影時とのギャップに悩まされるかもしれません。せめて自分の目線まで伸びてくれる三脚が良いなと思うと、コンパクトさは多少犠牲になるし、その三脚が軽いものだったとしたらより不安定な状態になってしまいます。

それらの懸念材料を高いレベルでクリアしてくれるものを選ぼうとすると、超高額な三脚だったりして、たまにしか使わない三脚にレンズ1本買える値段出すのって…なに!? って我に返って、また同じループにハマっていく…。

そう、お気付きのとおり、三脚選びって“無い物ねだり”の応酬なんです。コチラを立てればアチラが立たないの繰り返し。
しかもそこに“雲台”の要素が加わってくるからさらにややこしくなってきます。たとえ軽い三脚を買ったとしても、雲台を取り付けることで結局それなりの重量になったり、雲台を小さくて軽いものにすれば、操作性や安定性が犠牲になってきます。

だからこそ、いたずらに三脚を買おうとするのではなく、自分が普段行なう撮影内容と照らし合わせて、自分にとっての三脚の有用性を探る必要があります。それを見出せるまでは正直、三脚は必要ないと思います。堂々巡りになるだけなので。

定番のハスキー製三脚がやっぱり良い!

写真学校などでも購入するカメラマン定番中の定番であるハスキー製三脚は、三脚の役割と便利さとそれに伴う価格帯のバランスを高いレベルで保っています。

軽量タイプの三脚ではおなじみのカーボン製ではないですが、安価で重量のあるアルミ製三脚よりは軽いジュラルミン製となり、持ち運びは比較的楽なうえに、三脚としての安定性も確保。定評のある3WAY雲台が一体型になっているタイプはつなぎ目がない分さらに良い安定感が期待できます。

コンパクトさを求めてショートタイプ3段を選んだとしても、最長約170cm程度を確保。おおよそ目線の高さで撮影することができます。

▲黒くて無骨なハスキー製三脚。ショート3段タイプ。中古だが極めて綺麗。ハスキーは使い込む人が多いため中古はあまり出回らず、出回っていても傷が多いものがほとんど。それでも実用に支障がないくらい堅強だ。使い込まれたハスキー三脚がまたカッコいいのだ
▲エレベーター付きで、高さの調整が楽。ただし、ストッパのねじ込みを緩めた途端に下がってくるので、手放しで扱うのは非常に危険
▲雲台上面。向かって左斜したにレンズが来るように取り付ける。そのため、ボディが小さいミラーレスカメラに大口径レンズを取り付けた場合、雲台に干渉して、ズームやピントリングを動かせなくなったりする。縦位置グリップや一段高くしたりすることで解消できる

とはいえ、なんやかんやで新品で買おうとするとハスキーも結構高いので、根気よく中古品を探すのがオススメ。中古品だと程度にもよりますが半分以下の値段で買えたりします(写真のショート3段はメルカリで3万円)。

構造がずっと変わらないので基本的に修理が効くのもハスキーの大きな利点。カメラはどんどん買い変わるかもしれませんが、ハスキー三脚は一生の相棒として寄り添ってくれるでしょう。

そんなハスキー三脚にもローアングルが撮れないという最大の弱点があります(一応対応キットもあるけど、非常に使いづらい)。

もし、ローアングル撮影が必要になったら、その時は自分にとっての三脚の役割が見いだせたタイミングなので、最良の三脚に出会えるチャンスなのかもしれません。

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