エレガントにみえて質実剛健。トリッカーズ定番「モールトン」はとても良いぞ!

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イギリスを代表する革靴といえば…いろいろありますが、その一つに挙げて差し支えないのが「トリッカーズ」。その定番モデルが「モールトン」です。

ローカットのバートンも定番ですが、やはりミドルカットのモールトンが看板。ラストは同じなので、好みや普段の服装で選んでもいいかもしれません。

流通形態によっては「ストウ」と呼ばれたりもしますが、モールトンと同じと思ってもらって差し支えはありません。

履くとガラリと変わる、トリッカーズの印象

モールトンのこの風体、結構好みが分かれると思います。

穴飾りのあしらわれたカントリー調、それでいて一見エレガントさも醸し出しているデザインは、特にレッドウィングやホワイツブーツを好む、ブーツにハードさ見出したい人にはちょっと踏みとどまってしまうジャンルに感じられます。

どちらかといえばドレッシー。服装もキレイめで、ジーンズよりもチノパンと合わせたほうが良さそうな、そんな印象です。

ところが、一度足を通すとそんな印象はガラリと変わります。

想像以上にゴツさのあるフォルムと、革の硬さからはエレガントさというよりもカントリーブーツとしての屈強さが前面に出てきます。モールトンでバチッと決まった自分の足を見ると妙に懐の深さを感じてしまって、チノパンだろうがジーンズだろうが、何に合わせてもOKみたいな、おおよそスニーカーを履いてるような感覚になるんです。

履き心地の硬さにはもともと定評があって、それで文字通り痛い目に合っている人も多いんですが、足にガッチリハマったときの気持ちよさは格別。一種のマッサージなのかと思うくらいになるとちょっと異常な部類になってしまいますが、それぐらい足にピッタリ来る感じがします。

これはレッドウィングを履いていてもなかなかならないことで、それは品質ではなく構造の違い。

レッドウィングは足首で固定するのに対して、トリッカーズは甲で固定するので、よりフィット感を感じられるわけです。

逆にいえば、トリッカーズにはそれだけ遊びがないので、サイズが違うと靴擦れしたり足を痛めたりしやすく、レッドウィングは多少サイズが違っても普通に運用可能。ワークブーツとしては重要な要素といえますね。

▲はたから見るとシュッとしていてドレッシーな雰囲気もあるモールトン
▲メダリオンと呼ばれる穴の装飾。本来は排水性のためのものだったが、今は飾りとしての要素が強い
▲紐がよくできてて、緩めやすく締めやすい。この紐のおかげで、ミドルブーツタイプでも脱ぎ履きしやすい
▲樹脂製のダイナイトソールはグリップ重視でゴツさが際立つ。レザーソールタイプはシャープな印象に仕上がる
▲外側に張り出した「ダブルソール」がゴツさを演出。これを狙って自分nブーツのソール交換時にダブルソールをお願いする人も多い
▲内側に品番とサイズが製作担当者の直筆で入っている。個体差があるので間違いなく手書きだ。こういう特別感のある演出がブランド力を高める。めちゃくちゃカッコいい

トリッカーズのシューケア方法

基本的には同じ。エイジングを疑うくらい銀面は強いので、よっぽどなことがない限りだめになったりはしません。

強いて言うなら、専用のシューツリーを用意したほうがいいですが、ケアに使う分には汎用品で大丈夫です。

▲靴紐を外します。日々のブラッシングはそのままでいいですが、ガッツリケアするときは靴紐を外しましょう
▲シューツリーをいれます。これも必須
▲馬毛ブラシでブラッシング
▲新品ですが、汚れ落としで保存中に劣化した靴クリームなどを落として新しい靴クリームを添加します
▲結構汚れが付着するので、まんべんなく、決して力を入れずに行なう
▲新品には一旦デリケートクリームを挟む。革への浸透力が良く栄養が届きやすい
▲靴クリーム。今回はレッドウィング製のナチュラルタイプを塗布した。伸びはよく、しっとりとした光沢感があるタイプ

シューケアが完了したのがこちら。新品状態なので、ツヤの出方が洗練された程度。

ワークブーツに比べてエイジングの入り方が遅い印象なので、購入した際には積極的に履いてでかけましょう。

シーンを問わない革靴なので、いつでもどこでも活躍してくれるでしょう!

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